Webで使用するフォント単位の基本と選び方
Webページのデザインやレイアウトを設定するCSSでは、フォントサイズを指定する際にさまざまな単位が利用されます。
それぞれに特徴があり、使い分けることで適切なデザインを実現できます。CSSで使用されるフォント単位は主に《絶対単位》と《相対単位》に分けられます。
絶対単位とは
絶対単位は、固定的なサイズを指定する際に使用される単位です。以下の5種類があります。
- ①pt(ポイント)
- ・定義:1pt = 1/72インチ(約0.3528mm)
- ・特徴:印刷物で主に使用される単位。Webでは利用頻度が低い。
- ②in(インチ)
- ・定義:1in = 25.4mm
- ・特徴:ヤード・ポンド法に基づく単位。日本では計量法により一般的な利用は制限されている。
- ③cm(センチメートル)
- ・定義:1cm = 10mm
- ・特徴:日常的な単位だが、Webではあまり使われない。
- ④mm(ミリメートル)
- ・定義:1mm = 0.1cm
- ・特徴:細かいサイズ調整に適しているが、Webでの使用は少ない。
- ⑤pc(パイカ)
- ・定義:1pc = 12pt(約4.233mm)
- ・特徴:主に印刷やページレイアウトで使われる単位。
※注意点
絶対単位で指定すると、ユーザーがブラウザ設定で文字サイズを変更できないため、Webデザインにはあまり向きません。
相対単位とは
相対単位は、ユーザーのブラウザ設定や環境に依存し、可変的にサイズを指定する際に使用される単位です。以下の4種類があります。
- ①px(ピクセル)
- ・特徴:画面の解像度に基づく単位で、見た目が固定される。レイアウトの安定性が高い。
- ・注意点:解像度に依存するため、サイズ感が異なる場合がある。
- ②em(エム)
- ・特徴:親要素のフォントサイズを基準にした相対単位。
- ・例:親要素が16pxの場合、1em = 16px。
- ③ex(エックスハイト)
- ・特徴:フォントの小文字「x」の高さを基準とする相対単位。細かい調整に使われる。
- ④%(パーセント)
- ・特徴:ブラウザのデフォルトフォントサイズ(通常16px)を基準に相対指定。
- ・例:100% = 16px、50% = 8px。
どの単位を選ぶべきか
CSSでのフォント単位の選択には明確なルールはありませんが、一般的なガイドラインは以下の通りです。
- ●px(ピクセル)
要素の幅や高さを固定する際に便利。レイアウトの整合性を重視する場合に適している。 - ●em(エム)
フォントサイズに柔軟性を持たせたい場合に便利。レスポンシブデザインに適している。 - ●%(パーセント)
ユーザーのブラウザ設定に合わせたデザインを行いたい場合に最適。
まとめ
フォント単位を選ぶ際には、次の点を考慮しましょう。
- ユーザーフレンドリーな設計
可読性を確保するために、相対単位(%やem)を優先するのが一般的です。 - デザインの整合性
要素の幅や高さと合わせて考える場合、px指定が有効です。 - 解像度の違いへの対応
特に文字サイズは、%指定やem指定を用いることで柔軟性が高まります。
適切な単位を使い分けて、使いやすく美しいWebデザインを目指しましょう。