POP制作における「インサイト」の重要性
今回は、販促担当に任命されたばかりの方にも役立つように、POP制作に欠かせない「インサイト」について解説します。
大きく分けて以下の3点をテーマにお話しします。
- ①インサイトという考え方
- ②コンシューマーインサイト
- ③ショッパーインサイト
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①インサイトという考え方
「インサイト(insight)」とは、直訳すると「洞察力」や「見識」を指します。マーケティングでは、「相手の視点に立って見えてくる心理」 と解釈されることが多いです。
たとえば、「自分がこうしてきたからこうしたい」ではなく、「相手はどんなことを考え、何を求めているのか」 を想像し、行動の根底にある本音を探る考え方です。この視点を持つことが、POP制作において非常に重要です。
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②コンシューマーインサイト
POP制作における「インサイト」の考え方には、大きく2つの方向性があります。その1つが「コンシューマーインサイト」、つまり消費者の本音や潜在的なニーズを理解することです。
■コンシューマーインサイトの活用
- 消費者が何を感じ、どのように商品を選び、購入に至るのかを掘り下げます。
- その結果を元に、消費者に響く言葉やデザインを取り入れたPOPを制作します。
■情報収集の方法
- アンケートや店頭観察
- SNSや口コミの分析
これらのデータを基に洞察を深めていくことで、消費者の本音が見えてきます。さらに忘れてはいけないのが、「自分も消費者の1人である」 という視点です。自分の体験や気づきを反映することも大切です。
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③ショッパーインサイト
もう1つの方向性が「ショッパーインサイト」 です。これは、売り場や流通の視点に立って、現場でのニーズや課題を理解することを指します。
■現場で起きている問題
売り場スタッフや流通には、メーカーが想定していない課題が数多くあります。
例えば・・・
- 「このサイズのPOPはスペース的に置けない」
- 「陳列場所に余裕がない」
- 「電源が近くにないのでデジタルPOPは使えない」
こうした問題を考慮しないと、せっかくのPOPが設置されず、販促効果を発揮できない場合があります。
■ショッパーインサイトを反映する工夫
- サイズや形状を工夫:どの売り場でも使いやすいPOPを設計する。
- スタッフの負担軽減:設置が簡単で、説明が不要なデザインにする。
売り場の事情に寄り添ったPOPを作成することで、現場での採用率が上がり、売上向上につながります。
まとめ:インサイトがPOP制作の鍵
POPはメーカー、売り場、消費者の3者が交わるポイントです。それぞれの視点を反映しようとすると、「結局どんなPOPを作ればいいのか」と迷うこともあるでしょう。
しかし、どの視点も「人」であることに変わりはありません。すべての人を100%満足させるのは難しいかもしれませんが、「インサイトを深く考えること」 が、より良いPOP制作への近道です。
インサイトを意識したPOPは、消費者の心に響き、売り場で効果を発揮します。常に相手の視点を想像しながら、次の販促につなげていきましょう。